2022年09月30日

インディアメーラー にインド人工芸士5名が来日!

インド政府外務省の文化機関、インド文化関係評議会(ICCR: Indian Council for Cultural Relations)派遣の伝統工芸士5名からなる訪問団が来日の予定です。
インディアメーラー では、作品制作の実演・デモンストレーションを行います。

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1、モハンマッド・マトルーブ Mr Mohammad Matloob 木工彫刻
【ナショナルアワード認定】
ウッタル・プラデシュ州の出身。10歳のときに東デリーのシーランプルに移り、名工として知られた叔父のアブドゥル・レーマン・カーンおよびシャビル・フセインに入門。ユネスコ手工芸部門優秀賞やシルプ・グル(匠の称号)も得て、ムガル帝国の伝統と様式を守り続ける職人の一人。
まず細かな浮彫のデザインを紙に描き、それを木の表面に貼りつけます。木は白檀、ローズウッド、エボナイトなどが用いられます。、細い工具を使って複雑なレリーフを彫っていきます。

2、カトリ・アブドゥル・シャクール・ハジオスマン 【ナショナルアワード認定】
Khatri Abdul Shakur Hajiosman
絞り染め(バンダニー)
グジャラート出身。
バンダニーはサンスクリット語のbandh(縛る、結ぶ)に由来し、グジャラーティ語で「結び目」を意味します。布を縫って結び目をつくった上で染色することで、紋様を施す技術です。インダス文明でも行われていたともいわれ、6世紀のアジャンター石窟壁画でバンダニー紋様をみることができます。
木版や型紙を使って下図を布に転写した後、糸で布を括って防染の加工を行います。染色・乾燥後、結び目をほぐされますが、さらなる染色のために第2、第3の縛りを施す場合もあります。バンダニーはおもにドゥッパッタ(大判のショール)やサリーなどを制作するため、綿や絹の生地に施されます。

3、ラル・チャンド・チーパ 【ナショナルアワード認定】
Lal Chand Chipa
泥防染(バーグル)
ラージャースタン州バーグル村出身。30人ほどの職人を抱える工房を経営。国内の有数の工芸展に出品、国立ファッション工科大学(ニューデリー)やプリンス・オブ・ウェールズ博物(ムンバイ)で研修ワークショップを実施。
バーグルとはラージャスターン州の泥防染のブロック・プリントです。ロルダ(木のブロック)を使用し、布にミッティ(植物性の防染剤)を捺していきます。通常、まず布は藍(青)とターメリック(黄)が混ざった濃い緑色に染められます。その後、布を洗ってミッティを取り除き、赤などの別の色で染めなおします。防染の部分が赤く染まり、また下地の緑色もわずかに変化し美しく発色します。

4、マネンドラ・デカ 【ナショナルアワード認定】
Manendra Deka
籐・竹工芸
アッサム州出身。同州バルペタ県に籐・竹工芸の工房を設立し、後進のために研修ワークショップを実施しています。
籠や茣蓙(マット)の制作は、まず集めた竹を割ることから始まります。さらに竹を細かく割いて竹ひごを作っていきます。、用途に合わせた太さ・厚さの竹ひごを作るには手で調整するほか、ナイフやダオ(インド北東部で用いられる刃物の一種)が使われます。その後、細かい竹ひごを織り合わせて作品を仕上げます。
インドの北東部は竹が非常に豊富で、あらゆる生活用品のみならず、家屋や橋なども竹で作られます。

5、ラージャーゴーパル・チンナタンビ 【ナショナルアワード認定】
Rajagobal Chinnathambi
皮革工芸
南インドの連邦直轄領ポンディシェリ(プドゥチェリ)の皮革工芸は、浮き彫りや皮紐組み編みなどの技術が特長です。それらの加工の後、おもにタン(淡い茶色)か茶と黒の混合色のいずれかに着色されます。浮彫には職人のオリジナリティが発揮される一方、組み編みは伝統的な技術です。
インドの年間の原皮生産枚数は約1億8000万枚で世界第1位、牛革については世界第1位です。インドのレザーの質の高さは古来有名で、数多くのタンナー(なめし工場)や生産工場があり、世界の有名ブランドがインドの革加工技術に注目しています。


posted by manami at 22:45| Comment(0) | イベント
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